【関口さとみ編】第9話「行かないで」

関口さとみに振り回されている永尾完治(カンチ)と赤名リカ。
カンチとリカの仲はギクシャクしていた。

三上健一に結婚式の招待状を渡す長崎尚子。
本当は結婚したくない長崎だった。

さとみとの事も完全に吹っ切れた三上は本気で長崎の事が気になっていた。

同僚と共に自宅に戻ったさとみ。
材料を買い過ぎたというさとみに、
「オトコ呼びなさいよ」という同僚。
さとみと同僚の間で共通のオトコは三上とカンチしかいない。
同僚は気を利かせたつもりでカンチに電話をし、呼び出す。
三人で鍋を囲んでいる。
さとみの同僚は
「リカさんさえいなければ、永尾くんは私のモノなのにとか言ってて・・・」
と、さとみとカンチをくっつけようとする。
この同僚も空気の読めないオンナだった。

同僚が帰った後、またしてもさとみの十八番、学生時代の話を始める。
カンチを送る時にもしつこいぐらい昔話をするさとみ。
昔のカンチのさとみへの想いを再燃させるため・・・

すでにさとみの中からはリカという存在はほぼなかった。

リカの転勤の件でいまだにもめている二人。
リカはカンチの元を離れたくない、しかしカンチは違った。
人の心が分かるふりをしながら、気持ちはさとみでいっぱいなのだ。
「俺なんかよせよ」と言ってしまうカンチ。

カンチにかかったさとみの魔術は強力だ。

三上を呼び出した長崎。
それは、フィアンセを見せ付けるためだった。
「おめでとう」と言う三上。
フィアンセに「友達?」と聞かれ「知らない人です」と答える長崎。

席はいっぱいあいているのに、なぜ知らない人のすぐ隣に座るのか・・・
普通はそう思うが、不可解なオンナ長崎だから仕方がない。

カンチはさとみにリカが転勤でいなくなる事を話す。
「どうして・・・誰かを好きになると、その人に寄り添う以外行くところなんてなくなるはずでしょ?離れ離れなんか・・・」
「違うんだ。俺が行かせようとした。」
「止めなかったの?」
・・・
「リカを自由にしてやりたかった。」
と涙ぐむカンチに、
「そんな事ない。永尾くんのそういう所素敵だと思うよ。リカさんだってきっと分かってくれるはず!私もそう。永尾くんのそういう所、スキ」

リカとカンチを応援するふりをしながら、カンチの気持ちに確信を持ったさとみは、一転して一緒になってリカを転勤に追いやる作戦に出たのだ。
極めつけは「スキ」と言う言葉だった。

三上のマンションへ、「泊めて」とやってくる長崎。
本当にこのオンナは何がしたいのか訳が分からない。
このオンナも実はさとみと同じで男を振り回すタイプなのかもしれない・・・

同僚にリカの転勤の事を話すさとみ。
お気楽な同僚は「さとみと永尾くんは晴れてハッピーエンドになれるわけだ」と言う。
しかし、さとみは、あのリカがこのまま引き下がるはずがない・・・と・・・考えていた。

リカとちゃんと話をしようと呼び出すカンチ。
リカはやり直せると信じて待っていた。

待ち合わせ場所に向かおうとするカンチの家にいきなりさとみがやってきた。
どう見ても出かける格好をしているカンチだが、平然と家にあがりこむさとみ。
リカと逢うのだと思ったさとみは、駅まで送ると言うカンチに、
「行かないで。好きなの。」と悲願する。
「もうこれ以上アイツを傷つける訳にはいかないんだ。」
「ごめんなさい。私・・・何言ってるんだろう。でも、行かないで」
「約束の時間過ぎたよ・・・もう行かない」
カンチに抱きつくさとみ。

三上をもて遊び、カンチを振り回し、リカを戸惑わせ・・・
悪女さとみはこうしてカンチをモノにしたのだ。

寒空の下、カンチを待ち続けるリカ・・・