「永尾くん、今何してる?まだ会社かな?リカさんと一緒?
私は、私は・・・もう分からない、三上くんが信じられない。
お願い、永尾くん決めて、永尾くんの言うとおりにする・・・」
幼なじみの永尾完治(カンチ)、しかも赤名リカという彼女がいる事も分かってるのに、平然とこんな意味深なメッセージを留守電に残すオンナ、関口さとみ。
三上健一という彼氏がいるのに、さんざんカンチに気のあるそぶりを見せてきたさとみ。
こんなメッセージを聞いたらカンチも飛んで行かない訳がない。
さとみの元へ駆けつけたカンチ。
バーに入り訳を聞く。
「抱き合ってたの・・・三上くん・・・他の人と・・・」
長崎尚子だと分かっていながらあえて、他の人と言うさとみ。これも計算だ。
「永尾くん、どうすればいい?」
上目づかいにカンチに問いかけるさとみ。
「俺には決められない・・・」
と言うカンチに、
「そうよね。甘えてばかりいたらリカさんにも迷惑かかるし」
と言うさとみ。
いちお、リカの事を気にしているようなそぶりを見せる。
カンチは家に戻るとリカが待っていた。
正直にさとみと逢ってた事を話すカンチ。
しかしリカはさとみの残した留守電メッセージを聞いていたので気が気ではない。
カンチとの関係に危機感を感じていた。
さとみの職場に現れる三上。
さとみの同僚が「来てる・・・」と知らせに来る。
逢う気がない事を同僚に目くばせするさとみ。
三上が職場に来る事を想定して、あらかじめ同僚に例の件を話しておいたのだ。
どこまでも用意周到なさとみだった。
三上はなぜさとみが自分を避けるのかまだ分かってなかった・・・
カンチに訳を聞かされる三上。
はぐらかす三上とカンチはケンカになり、偶然会ったリカに仲裁される。
大学にいる三上の元へ勘違いオンナ長崎が来て、
「この間は酔っぱらっちゃって・・・」と言い訳をする。
リカを呼び出したさとみ。
「私ね、もう決めたの。三上君と分かれる・・・」
事実上のリカへの宣戦布告だ。
三上から電話があったさとみは「逢いたい」と告げる。
三上はもう一度やり直そうと考えていたが、さとみの中ではすでに三上の事は消去されている。
「笑って別れよう」と三上につげるさとみ。
その顔は笑ってると言うより「ざまぁ見ろ」と言う顔だった。
「やだよー!」と未練がましく叫ぶ三上。
さとみの心にひとかけらも三上への思いは無かった。
一人やけ酒をしている三上を偶然見つけたリカは三上を慰める。
カンチにもさとみを慰めに行くよう電話をする。
お人よしなカンチはさとみの家に駆けつける。
さとみの計画は着々と進行していた。
リカに三上との別れる事を話しておけば、かならずカンチを私の元へ来させるだろう・・・
三上と別れたのは自分のせい・・・カンチに耐えるオンナっぷりを語るさとみ。
「泣いちまえよ。もう我慢しなくていいんだからさ」と言うカンチに、すがり泣きだすさとみ。
やっと、カンチ、リカ、さとみの同僚まで巻き込んだ三上との疑似恋愛に結末がきたのだった。
そして、さとみのカンチ奪回作戦の始まりだったのだ・・・