つらい花粉症を根治治療する方法!!


「鼻アレルギーの全国疫学調査2008」によると、日本人の約3割がなんらかの花粉症に苦しんでいることがわかる。
 

3月5日にタレントの武井壮が「花粉症を3日で克服した」と自身のTwitterで報告している。
多くの反響が寄せられたが、その撃退方法は明かしていない。
一体どのような治療を受けたのだろう?
以下では花粉症の根治治療を紹介する。
 

花粉症の治療は、対症療法としては薬物療法、根治治療としてはアレルゲン免疫療法(減感作療法とも呼ばれる)、レーザー治療、手術療法が行われる。
 

従来のアレルゲン免疫療法は、皮下に注射する皮下免疫療法が主体だったが、アナフィラキシーショックなどの全身性副反応や、頻回の通院による負担を軽減するため、舌の下に治療薬(液)をいれて一定時間保持した後に飲み込む舌下免疫療法が普及した。
舌下免疫療法は、アレルギーの原因になるスギ花粉などのアレルゲンを年単位で舌下から服用し、体を慣らしながら、アレルギー反応を抑制しつつ、症状を緩和する治療法だ。

スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法は2014年から、ダニを原因とする通年性アレルギー性鼻炎に対しては2015年から保険診療となっている。
適応対象は以下のとおりだ。

① スギ花粉またはダニが原因となるアレルギー性鼻炎患者
② 一般的な薬物療法でアレルギー性鼻炎の症状やQOLを十分にコントロールできない患者
③ アレルギー性鼻炎の臨床的寛解を希望する患者

『アンケートを用いた舌下免疫療法に関するスギ花粉症患者の実態調査 1シーズン目と2シーズン目の比較』(日本耳鼻咽喉科学会会報 / 120 巻 (2017) 7 号)では、舌下免疫療法開始1シーズン終了群140例と、2シーズン終了群132例に質問票を用いて調査している。
 
その結果、1シーズン目終了、2シーズン目終了のいずれの患者でも7割以上で症状の軽減があるとし、95%以上が治療の継続を望んでいる。
また、口腔の乾き、粘膜腫脹、掻痒、鼻汁、くしゃみなどの副反応は、1シーズン目終了群では2割程度出現していたが、2シーズン目終了群では約2%にとどまっている。
 
舌下免疫療法の特徴は、やめた後でも効果が持続することだが、数年にわたり毎日欠かさず服薬することは意外と大変で、飲み忘れをいかになくすかの工夫が必要だ。
また、少ないとはいえ副反応もあり、重篤なものしてはアナフィラキシーなどが発生する可能性もある。

これまで、スギ花粉症のアレルゲン免疫療法は舌下に噴霧する液剤の「シダトレン」が主体だったが、2018年6月に錠剤の「シダキュア」が登場した。
 

1日1回、1錠を舌下に含むだけで済むため簡便。「シダトレン」は冷蔵庫で保存しなければならないが、「シダキュア」は室温で保存でき、持ち歩けるので使いやすい。
さらに「シダトレン」は12歳以上にしか使えないが、「シダキュア」は年齢制限がないため小児での使用が可能となっている。
 
なお、費用(3割負担)は「シダトレン」なら医療機関で1回につき約600円、調剤薬局で約1700円、「シダキュア」なら約5000円が目安。
通院回数、処置内容、抗アレルギー薬の投薬などによって変わる。

花粉症の根治療法の2つ目はレーザー治療だ。
 
炭酸ガスレーザー手術は、皮膚・軟組織の止血・凝固・切開に適したレーザー治療法だが、花粉症などのアレルギー性鼻炎にも適用されている。
 
アレルギー反応を起こす下鼻甲介(かびこうかい)の粘膜部分に炭酸ガスレーザーを照射し、鼻水を出す鼻の粘膜の表面だけを焼き(蒸散し)、アレルギー反応を抑制。
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻閉が改善される。
手術による痛み、出血、合併症も少ない治療法といわれる。
現在、レーザー治療では炭酸ガスレーザーが主流だが、他にも数種類のレーザーが使われる。
 
例えば水に吸収されない波長をもつYAGレーザーやアルゴンレーザーは、鼻の粘膜を焼くことができるが、深部まで焼くため、手術中の痛みや出血が避けられない。

ただ、炭酸ガスレーザーは、効率よくエネルギーが鼻の粘膜の表面だけを焼く利点があるが、鼻水が多い場合は、レーザーが通りにくくなり、手術が困難だという問題がある。
そういった場合に利用されているのが、半導体ダイオードレーザーだ。
 
波長が短いのが特徴の半導体ダイオードレーザーは、鼻水が多い場合でも、レーザーが水を通り、組織を焼く(蒸散する)効果が高いという。
 
医療機関によって使用されるレーザーも違い、粘膜を焼く度合いの判断もさまざま。
治療前に特徴やリスクなどきちんと説明を受けることが大切だ。
また、保険適用であるこの治療方法を自由診療で行っている医療機関もある。
 

しかし根治治療といっても、粘膜の再増殖が起こり、再び症状が出る可能性もある。
また、眼の症状、のどの症状を併発しているケースでは鼻以外のそれぞれの症状は改善されないので注意が必要だ。
 
費用は、検査費など約5千円、手術1回につき約1万円(3割負担)が目安。他に診察料や薬剤代が加算される。

薬物療法で効果が認められない場合、舌下免疫療法やレーザー手術で改善しない場合などの重症症例にも根治の可能性があるのが手術療法だ。
 
手術のひとつとして、アルゴンプラズマ凝固法がある。
鼻の粘膜を焼くという考え方としてはレーザー治療と同様だが、アルゴンプラズマ凝固法は高周波凝固法の一つで、アルゴンガスに電気を流し、下鼻甲介粘膜を熱的に凝固させる方法だ。
 

また、他の手術として後鼻神経切断術や下鼻甲介骨切除術などがある。
 
後鼻神経とは鼻の奥から鼻腔に入ってくる神経で自律神経と知覚神経を含み、アレルギーや多くの鼻の症状に関与していると言われている。
この後鼻神経を内視鏡手術で切断するのが後鼻神経切断術で、鼻汁抑制やくしゃみ反射の抑制が可能となる。
 

一方、下鼻甲介骨切除術は、下鼻甲介の中にある下鼻甲介骨を切除する手術。
レーザー治療よりも粘膜へのダメージが少なく、下鼻甲介の容積を縮小させることで鼻の通りをよくする。
 

いずれの手術も保険適用であり9万円~20万円程度だが、費用は日帰り、入院などで異なるので事前に問い合わせたい。
術後の回復には個人差もあるが比較的早い症状の緩和が望める。施設によっては手術療法とレーザー治療の複合治療も行っている。
 

くしゃみが止まらない!目がかゆい!鼻水、鼻づまりで息が苦しい!悩ましくも過酷な花粉症。
今回の根治療法の情報が少しでも参考になればと思う。