「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」は何が新しい?!

iPhoneの2018年新モデルがついに発表された。
ラインアップは有機EL+デュアルカメラ搭載の「iPhone XS」「iPhone XS Max」と、液晶+シングルカメラ搭載の「iPhone XR」という3機種。

iPhone XSとXS Maxは、2017年に発売された「iPhone X」の後継機で、デザインや基本性能はXを踏襲している。

一方iPhone XRは「iPhone 8/8 Plus」の後継といえそうだが、iPhone 8まで採用していたホームボタンが廃止され、iPhone XS/XS Max同様に、ノッチありの狭額縁デザインに変更された。

iPhone XRは見た目の変化が分かりやすいが、今回の新モデルは2017年モデルから何が変わったのか。
iPhone XS/XS MaxはiPhone Xと、iPhone XRはiPhone 8/8 Plusと比較しながら変更点を整理したい。

【デザインとサイズ】
写真を見比べる限り、iPhone XSとiPhone Xの外観はほとんど変わっていない。
サイズは2機種とも70.9(幅)×143.6(高さ)×7.7(奥行き)mmで、XRの方が3g重くなったのみ。
ディスプレイも5.8型有機EL(Super Retina HDディスプレイ)で共通している。

一方、iPhone XS Maxは6.5型という大きなディスプレイを搭載していることもあって本体サイズも大型化。
幅は77.4mmまで広がっているが、狭額縁設計のおかげでiPhone 8 Plusの幅78.1mmよりは抑えられている。
Plusユーザーや、かつてPlusを使ったことのある人なら、Maxを使っても大きな違和感は覚えないだろう。

iPhone XRも6.1型という大きなディスプレイを搭載しているが、こちらも狭額縁設計のおかげで、幅はiPhone 8 Plusよりも細い75.7mm。
ただしiPhone 8からは約8mm太くなってしまい、以前にどの機種を使っていたかで、持ちやすさや操作感は変わりそうだ。

iPhone XRは、ホワイト、ブラック、ブルー、イエロー、コーラル、(PRODUCT)REDという6色のカラーが目を引く。
特にブルー、イエロー、コーラルはこれまでのiPhoneではほとんど見られなかった色なので、若者を中心に人気を集めそうだ。

【基本スペック】
新モデルのプロセッサは「A12 Bionic」にバージョンアップ。
機械学習を行う「Neural Engine」を搭載しており、毎秒5兆の演算処理を行うことで、アプリの処理速度がアップ。
CPUはA11 Bionic比で最大15%高速化し、最大50%の低消費電力を実現する。
GPUはA11 Bionic比で50%高速化している。
特に高負荷のアプリを使うほどに恩恵を感じそうだ。

バッテリーの持ちは、iPhone XとXRでは大きな違いはないが、iPhone XS Maxは連続通話時間や連続使用時間がXから1~5時間向上している。
iPhone XRはiPhone 8 Plus比でも、連続通話時間や連続使用時間が2~5時間向上している。
XS MaxとXRはサイズが大きくなった分、搭載するバッテリー容量も大きくなったと想像できる。

通信速度の理論値は公表されていないが、iPhone XS/XS Maxは「ギガビット級LTE」と紹介されており、1Gbps程度の理論値を持つようだ。
iPhone XRは「4G LTE-Advanced」との紹介にとどまっており、iPhone 8/8 Plusと同じく下り最大800Mbpsである可能性が高い。

セキュリティ機能は、3モデルとも顔認証「Face ID」で統一されており、ホームボタンがないため指紋認証の「Touch ID」は利用できない。
ディスプレイに埋め込むタイプの指紋センサーもあるが、新モデルではこの手段は取られなかった。

防水はiPhone XS/XS Maxの2モデルが「IP68」にバージョンアップ。
従来のiPhoneが対応していたIP67は、15cm~1mの水中で30分つけても浸水しない等級だが、IP68は水中でも使用が可能になり、浸水可能な時間は特に定められていない。
なお、防塵(じん)の等級は「6」で変わっておらず、粉じんの侵入が完全に防護される。

Qi規格のワイヤレス充電、FeliCa(Apple Pay)に対応している点は変わらない。

細かいところでは、iPhone XRは「3D Touch」の搭載が見送られた。
3D Touchは、画面を押し込む操作をすることで、ホーム画面でアプリのショートカットを呼び出したり、URLのアクセス先をプレビュー表示したりできる。
あまり使われていない(なくても問題ない)と判断したためか、XRではひっそりと省かれてしまった。

新モデルは「デュアルSIM」に対応したことも大きなトピックだ。
LTEでデータ通信をしながら、3Gで待受ができる「DSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)」にも対応している。
ただし物理SIMを2枚使えるのは中国版のみで、それ以外の地域ではnanoSIM1枚とeSIMを組み合わせて使う。
またAppleは「通信事業者によってはeSIMに対応しない場合があります」と説明しており、国内キャリアSIMがどのような対応になるのかは現時点では定かではないので、改めて確認したい。

【カメラ】
カメラについて、iPhone XS/XS Maxは基本的にiPhone Xを踏襲しており、背面には広角+望遠のデュアルカメラを搭載している。
ただしセンサーを一新した。
数字は非公表だが、画素ピッチが大きくなったことで光を取り込む量が増え、暗い場所でより明るく撮れることが期待される。
この新しいセンサーや強化されたISP(イメージシグナルプロセッサ)などにより、HDR撮影の精度も増したそうだ。

2つのカメラを用いて被写体の背景をぼかせる「ポートレートモード」はiPhone 7 Plusからおなじみだが、iPhone Xではより精巧なボケを作れるという。
さらに、撮影した写真の深度をコントロールできるようになる。
iPhone XRはシングルカメラだが、ポートレートモードや撮影後の深度変更には対応している。
ソフトウェアで処理をしているのだろうが、デュアルカメラを持つiPhone 8 Plusの背景ボカシ撮影とどれだけ精度が違うのかは気になるところ。

インカメラは、iPhone XRも顔の形状を精密に認識する「TrueDepthカメラ」に対応したことが大きい。
これによってインカメラでも背景ボカシや、撮影後の深度コントロールが可能になった。
セルフィーを多用する人にはうれしい進化だ。
TrueDepthカメラ対応に伴い、iPhone XRでもキャラクターの顔に自分の表情を加えた「アニ文字」と、そのキャラクターを自分仕様にできる「ミー文字」が使えるようになる。