主演なのに存在感ゼロな嵐・相葉雅紀。月9「貴族探偵」は生瀬勝久のためのドラマ!?


毎クールのように低視聴率が話題になるフジテレビの月曜夜9時台の連続ドラマ枠「月9」。
その今クール作である『貴族探偵』の第1話が17日に放送され、平均視聴率は11.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2桁をマーク。
まずまずのスタートをみせただけに、24日に放送された第2話にも注目が集まっていたが、視聴率は8.3%と急降下。

探偵の高徳愛香(武井咲)はある日、人気ミステリー作家・厄神春柾(大和田伸也)の招待を受け、厄神の担当編集者である日岡美咲(紺野まひる)が運転する車で、厄神の別荘に向かっていた。
その道中、突然車の前に大きな岩が墜落。
高徳が警察に電話していると、第1話同様になぜかその場に貴族探偵(相葉雅紀)と、その召使いの佐藤(滝藤賢一)、田中(中山美穂)、山本(松重豊)が登場する。

そして厄神の別荘に到着すると、なんと厄神の死体がベッドの上に横たわっている。
高徳は推理を進め、厄神と二股愛人関係にあった日岡と、他社の厄神担当編集者・松尾早織(豊田エリー)が犯人だと主張するが、貴族探偵の召使いである田中は、厄神の妻(横山めぐみ)と滝野光敏(丸山智己)が犯人だと反論。
結局、厄神の妻が自供し、第1話同様に高徳は貴族探偵に負けてしまうというのが、第2話のストーリーだ。

岩の落下から厄神の遺体発見、そしてお決まりになりつつある貴族探偵と高徳の掛け合いも交えながら推理が進むが、内容も単調なまま淡々とドラマは進む。
そして私は、ある人物の登場を心待ちにしていることに気がつく。
そう、神奈川県警刑事の鼻形雷雨(生瀬勝久)の登場をだ。放送開始から約20分が経過した頃、ついに鼻形が現れる。“鼻形劇場”の幕開けだ。

第1話同様にダサいスーツに身をまとい、茶色がかった色付きメガネをかけて事件現場に到着した鼻形は、さっそくソファーでくつろぎ、田中の入れた紅茶を“ズズズズーッ”と豪快に音を立てて飲む。
そのくせ、部下が行儀の悪い行為をみせると、「行儀悪いなー」と注意する。
若い女性鑑識・冬樹和泉(田中道子)が表れ、最近彼氏をアパレル関係者から繊維会社の御曹司に乗り換えたと部下から聞けば、「アパレルから繊維って、近いところいきすぎだろ」と意外にうまいツッコミをして、冬樹に対し、粉チーズかけ放題で並盛りと大盛りの値段が同じの“スパゲッティー店”に連れてってやると言い、無視される。

その後、メチャクチャな推理を自信たっぷりにオーバーリアクションで披露したかと思えば、厄神の妻に事情聴取中、妻が厄神の別荘を週1回しか掃除しないことに過敏に反応し、意外にキレイ好きな面を垣間見せる。
さらには「男・鼻形、一生に一度のお願いです」というフレーズを簡単に連発して高徳に呆れられ、「常見が、まだしゃべっている途中でしょうが!」とフジの往年の名作ドラマ『北の国から』の名ゼリフ(黒板五郎=田中邦衛)のパロディをぶっこんでくるなど、もう生瀬のやりたい放題である。

ちなみに今回、厄神の妻を演じる横山めぐみは、約30年前に『北の国から』で純こと吉岡秀隆の恋人役、レイちゃんを好演して一躍世間の注目を集めたが、もし生瀬はそれを意識してアドリブでこのセリフを放ったのだとすれば、恐るべしである。

さらにナマセの疾走は続く。
自分のミスを指摘されるとネチネチと反論するナマセ、部下の手柄を平気で横取りするナマセ、いつも部下に席を取られて座れないナマセ、すぐに権力にひれ伏すナマセ、簡単に食べ物で買収されるナマセ、変に細かいところが気になるナマセ、「警察の威信」を「警察のミシン」と言い間違えるナマセ、会話相手の顔が近いことに異常なまでに過敏に反応するナマセ……。

このほかにも同ドラマで気になる点がある。
召使いを演じる中山、松重、滝藤らベテラン勢による犯罪の再現VTRのほうが面白く、ドラマ本体を食ってしまい、むしろ前者をメインにしたほうがいいんじゃないかという気がするほどだ(すっかり再現VTRではしゃいでツッコミまくるナマセも面白い)。
特に松重と滝藤のラブシーンなんて、本当に2人とも仲よさげで楽しそうだしね(ちなみに前クールの連ドラ『バイプレイヤーズ』(テレビ東京)で2人は共演しているが、下北沢の神社の前で偶然に滝藤を見かけた松重が、「あれ、滝藤クン」と声をかけるシーンは良かった。それにしても、松重は『バイプレイヤーズ』『貴族探偵』に加え、今クールでは『孤独のグルメ』<テレビ東京>で主役を務めているが、スケジュールはどうなっているのだろうか)。

とにかく、主役の相葉と武井が、視ていて心配になるほど存在感がゼロなこともあり、ドラマを見終わった後でナマセ(と召使い)の印象しか残っていない。
もはや、完全に主役はナマセで、ナマセによるナマセのためのドラマとなってしまっている(登場時間も相葉よりナマセのほうが長い気がするのは、気のせいだろうか……)。

そんなナマセを楽しむため、次回放送もぜひチェックしたい。